2026-07-30
お子さまのお口がぽかんと開いていませんか?|口腔機能発達不全症を文京区の歯医者が解説

「うちの子、いつもお口がぽかんと開いている」
「よく食べこぼす」「飲み込むのに時間がかかる」
「鼻がつまっていないのに、寝るといびきをかく」
お子さまのこうした様子が気になったことはありませんか。実はこれらは、「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」という、お口の機能の発達に関わるサインかもしれません。
この記事では、文京区・春日・後楽園エリアの歯医者「後楽園春日たなべ歯科」の院長が、口腔機能発達不全症とはどのような状態なのか、とくにお子さまの発達で見落とされがちな「唇」と「舌」の働きに注目しながら、ご家庭でできるチェックと歯科医院でできることを、保護者の方向けにやさしく解説します。
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、生まれつきの病気などがないお子さまで、「食べる」「話す」「呼吸する」といったお口の機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態のことをいいます。
2018年から公的医療保険の対象となった、比較的新しい考え方です。お口の機能は、成長とともに自然に身についていくものと思われがちですが、現代の食生活や生活習慣の変化により、うまく発達しないお子さまが増えていると言われています。
大切なのは、これは「病気」というより「発達の遅れやアンバランス」であり、早めに気づいて適切に対応することで、良い方向に導ける可能性があるという点です。お子さまの成長期は、お口の機能を育てる大切な時期です。
カギを握るのは「唇」と「舌」の働き
口腔機能発達不全症を理解するうえで、とくに大切なのが「唇(くちびる)」と「舌(した)」の働きです。この2つは、食べる・飲み込む・話す・呼吸するというお口のすべての機能に関わっており、しかもお互いに連動して働いています。
唇の働き
唇には、お口をしっかり閉じる「口唇閉鎖(こうしんへいさ)」という大切な役割があります。唇を閉じる力が弱いと、お口がぽかんと開いたままになり、口呼吸につながります。食事のときも、唇でしっかり食べ物を取り込み、こぼさずに口の中に留めるために、唇の力が必要です。
舌の働き
舌は、食べ物を噛む位置に運び、唾液と混ぜてまとめ、のどへ送り込む役割をします。また、正しく飲み込むとき、舌は上あご(口蓋)にぴったり吸い付くように押し当てられます。話すときも、舌の細かな動きが発音をつくります。安静にしているときも、本来、舌の先は上あごの決まった位置(スポット)に軽く触れているのが正常な状態です。
唇と舌の連動
この2つは、常にチームで働いています。たとえば飲み込む動作では、まず唇が閉じてお口を密閉し、同時に舌が上あごを押し上げることで、食べ物をのどへ送ります。唇が閉じないまま飲み込もうとすると、舌を前に突き出して飲み込む「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」という、本来とは違う飲み込み方の癖がつくことがあります。
つまり、唇の力が弱いと舌の使い方にも影響し、舌の位置が悪いと唇の閉じ方にも影響する——このように、唇と舌はお互いに影響し合いながら発達していくのです。
唇と舌の発達がうまくいかないと、どんな影響があるの?
唇と舌の働きが十分に育たないと、お口の中だけでなく、お子さまの成長のさまざまな場面に影響が及ぶ可能性があります。
歯並び・噛み合わせへの影響
歯は、外側からは唇や頬の力、内側からは舌の力を受けて、そのバランスがとれた位置に並びます。唇が開いたまま・舌が低い位置にあるといった状態が続くと、この力のバランスが崩れ、出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)、歯並びの乱れにつながることがあります。舌で前歯を押す癖があると、前歯が前に押し出されることもあります。
口呼吸とその影響
唇を閉じる力が弱いと口呼吸になりやすく、お口の中が乾きます。乾いたお口はむし歯や歯ぐきのトラブルが起きやすくなるほか、口呼吸そのものが、お顔の成長や姿勢、集中力にも関わると考えられています。
発音への影響
舌や唇は、言葉をつくる大切な器官です。とくにサ行・タ行・ラ行などは舌の細かな動きが必要で、舌の使い方が未熟だと、特定の音が発音しにくくなることがあります。
飲み込み・食べ方への影響
唇と舌の連動がうまくいかないと、食べこぼしが多くなったり、よく噛まずに丸飲みしたり、飲み込みに時間がかかったりします。
このように、唇と舌の発達は、お口の健康だけでなく、歯並び・呼吸・発音・食事といった、お子さまの毎日と将来に幅広く関わっているのです。だからこそ、この2つの働きが育っていく時期に気づき、必要に応じて支えてあげることが大切です。
ご家庭でできるチェックリスト
以下の項目に、お子さまが当てはまらないか観察してみてください。複数当てはまる場合は、一度歯科医院にご相談いただくことをおすすめします。
- 気がつくと口が開いていて、あごが上がっている(ぽかん口)
- 鼻がつまっていないのに、寝るといびきをかく
- やわらかいものばかり好んで食べる
- 食べ物を口に入れてから、なかなか飲み込まない
- 片側の歯やあごばかりで噛んでいる
- 食べこぼしが多い、または丸飲みしている
- 歯が生えるのが遅い
- 歯並び・噛み合わせが気になる
- 滑舌が気になる、特定の音が発音しにくい
- 指しゃぶりや舌を出す癖がなかなか治らない
これらはあくまでご家庭で気づくためのめやすです。当てはまる項目があっても過度に心配する必要はありませんが、気になる場合は専門家による検査で正しく評価することが大切です。
歯科医院ではどんな検査をするの?
当院では、お口の機能を「見た目」だけでなく、数値で客観的に評価する検査を行っています。お子さまに大きな負担をかけないよう、遊びの延長のように進めていきます。
- お口の状態の確認:歯並び、噛み合わせ、むし歯の有無、舌や唇の動きを確認します。
- 舌の力の測定:専用の機器で、舌が上あごを押す力を測定します。舌の力は、食べる・飲み込む・話すすべてに関わります。
- 唇の力・閉じ方の確認:唇をしっかり閉じられているか、口呼吸になっていないかを確認します。
- 噛む力・飲み込みの評価:どのように噛んで飲み込んでいるか、舌の使い方や飲み込み方の癖がないかを確認します。
- 問診:食事の様子や普段の癖について、保護者の方からお話をうかがいます。
これらの結果をもとに、日本歯科医学会の基準に沿って総合的に判断します。検査は数値で記録されるため、お子さまの成長にあわせた変化を継続的に確認することができます。
診断されたら、どんなことをするの?
口腔機能発達不全症と診断された場合は、そのお子さまの状態に応じて、お口の機能を育てるための指導やトレーニングを行います。難しいものではなく、ご家庭で楽しく取り組めるものが中心です。
たとえば、唇を閉じる力を育てる遊びや、舌を正しい位置(上あごのスポット)に置く練習、舌や唇の筋肉をバランスよく使うトレーニング(口腔筋機能療法・MFTと呼ばれます)を、お子さまの状態に合わせて行います。あわせて、食べ方や姿勢のアドバイス、必要に応じてむし歯の治療やフッ素塗布などを組み合わせて進めていきます。おおむね数か月ごとに検査を行い、唇や舌の力の変化を数値で確認しながら管理していきます。
よくあるご質問
Q. 何歳から受診できますか?
A. 離乳が完了する前の乳児期から対応しています。お口の機能は成長とともに育っていくため、気になる時期が受診のタイミングです。学校の歯科健診で指摘された場合も、お気軽にご相談ください。
Q. 保険は使えますか?
A. 口腔機能発達不全症と診断された場合、検査や管理は公的医療保険の対象となります。保険証(またはマイナンバーカード)をお持ちください。
Q. 検査は痛くないですか?
A. 痛みを伴う検査ではありません。舌の力を測ったり、噛み方を見たりする検査で、お子さまが怖がらないよう配慮しながら進めます。
Q. 学校の歯科健診で「要観察」と言われました。受診したほうがいいですか?
A. 「要観察」は、経過を見たほうがよいというサインです。気になる場合は、一度検査でお口の状態を確認しておくと安心です。異常がなければそれで安心ですし、もし対応が必要なら早めに始められます。
Q. 大人になってからでは遅いですか?
A. お口の機能は成長期のほうが育てやすいため、早い時期の対応が望ましいとされています。ただ、年齢にかかわらず、気づいたときが対応のスタートです。まずはご相談ください。
お子さまのお口が気になったら、ご相談ください
お子さまのぽかん口や食べ方、いびきは、「そのうち治るだろう」と見過ごされがちです。しかし、唇や舌の働きを育てる大切な時期は限られています。
春日・後楽園エリアの歯医者「後楽園春日たなべ歯科」では、お口の機能を数値で確認できる機器を用いて、一人ひとりのお子さまに合わせた検査と管理を行っています。「気になるけれど、受診するほどか分からない」という段階でも構いません。まずはお子さまのお口の状態を知ることから始めませんか。
アクセス・ご予約
後楽園春日たなべ歯科
〒113-0033 東京都文京区本郷4-16-9 GREEN PARK本郷101
TEL:03-5615-8828
都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」徒歩3分
ご予約は、当ホームページのご予約ページ、Googleマップ、またはお電話(03-5615-8828)から承っております。土曜日も診療しております(休診日:水曜・日曜・祝日)。
後楽園春日たなべ歯科 院長 田邉龍介
(後楽園・春日・本郷エリアより通院いただけます)





