「根の治療に何回も通っている」「一度治した歯がまた痛くなった」というご経験はありませんか。
根管治療は歯の内部の細く複雑な空間を扱うため、どこまで見えているかが結果を左右します。当院では保険診療も含めたすべての根管治療で、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿を使用しています。
通院回数が複数回になる理由、神経を取った歯に起きやすい変化、治療の流れまで、文京区・春日・後楽園・本郷エリアの歯医者がご説明します。
「根の治療で何回も通っているけれど、いつ終わるのだろう」
「一度治したはずの歯が、また痛みだした」
根の治療について、こうしたご相談を受けることがよくあります。回数がかかること自体には理由があり、そして再び症状が出てしまうことにも理由があります。この記事では、根管治療で何が行われているのか、なぜ当院が全症例でマイクロスコープとラバーダム防湿を使っているのかを、順を追ってご説明します。
根管治療とは?
根管治療とは、むし歯や外傷によって歯の神経(歯髄)が感染したときに、根の内部から感染した組織を取り除き、内部を清掃・消毒したうえで薬剤を詰める治療のことです。歯を抜かずに残すために行う処置で、「根の治療」「根管処置」とも呼ばれます。
ここで扱う根管は、太いところで直径1ミリ程度しかありません。まっすぐな管ではなく、湾曲していたり、途中で枝分かれしていたり、本数そのものが人によって違ったりします。この見えにくく複雑な空間を、いかに取り残しなく清掃できるかが治療の核心になります。
なぜ根の治療は何回も通うのか
根管治療で通院回数が複数回になるのは、次のような工程を段階的に進めるためです。一度にまとめて行える性質の治療ではありません。
- 感染した組織の除去:根の内部から、細菌に感染した神経や汚染された象牙質を取り除きます
- 根管の清掃と消毒:器具と薬剤で内部を洗浄します。細菌の量を減らすため、複数回に分けて行うことがあります
- 症状の確認:痛みや腫れが落ち着いているか、レントゲンで根の先の状態がどう変化したかを確認します
- 根管充填:内部が清潔な状態になってから、薬剤を隙間なく詰めます
- 土台とかぶせ物:歯を機能する形に戻します。ここまで含めて、ひとつの治療です
回数は歯の状態や根の本数によって変わります。前歯は根が1本のことが多く、奥歯では3本から4本になることもあり、必要な工程数が違ってきます。当院では検査のうえで、おおよその見通しをお伝えしてから治療に入ります。
当院が全症例でマイクロスコープとラバーダム防湿を使う理由
見えないまま治療することへの恐怖感
私は勤務医1年目から、根の治療にマイクロスコープを使ってきました。付加価値として後から導入したのではなく、最初からそれ以外のやり方を知らない、という状態で歯科医師の仕事を始めています。
理由はひとつで、見えないまま器具を入れることへの恐怖感です。根の内部は暗く、狭く、肉眼では細部まで確認できません。汚れが残っているのか取れているのか、根が枝分かれしていないか、確認しないまま処置を終えることに、私はどうしても納得ができませんでした。
当院では歯科用マイクロスコープで最大約20倍まで拡大し、根の内部を目で確かめながら処置を進めています。院長は日本顕微鏡歯科学会に所属しています。
ラバーダム防湿で、治療中の再感染を防ぐ
ラバーダム防湿とは、治療する歯だけをゴム製のシートで隔離する方法です。せっかく根の内部をきれいにしても、処置の最中に唾液が入り込めば、そこに含まれる細菌が再び根の中へ運ばれてしまいます。
ラバーダムを使うことで、唾液や細菌の侵入を防ぎながら処置を進められます。あわせて、使用する薬剤がお口の中に流れることも防げます。当院ではすべての根管治療でラバーダム防湿を使用しています。
歯科用CTで、根の形をあらかじめ把握する
通常のレントゲンは平面の画像のため、重なった根や、後ろに隠れた根の枝分かれが読み取りにくいことがあります。当院では歯科用CT(Carestream CS 9600)で根の形態や本数を三次元的に確認したうえで治療計画を立てています。
神経を取った歯は、その後どうなるのか
ここが、根の治療で最もお伝えしたい部分です。
公益財団法人8020推進財団の第2回永久歯の抜歯原因調査(2018年)によると、歯を抜くことになった主な原因は、歯周病が37.1%、むし歯が29.2%、破折が17.8%と報告されています。そしてこの調査では、歯髄の状態別にみたとき、神経のない歯(無髄歯)は神経のある歯(有髄歯)に比べて、破折が原因で抜歯に至る割合が顕著に大きかったと報告されています。
神経を取った歯は、栄養や水分が届かなくなり、もろくなっていきます。つまり根管治療は「痛みを取って終わり」ではなく、その歯をこの先どう長く使っていくかという話の入り口にあたります。
私が治療の際に基準にしているのは、一度触った歯は、長期にわたり触らずに済む状態にする、という考え方です。何度もやり直しが必要になる治療は、そのたびに歯を削ることになり、歯の寿命を縮めます。人間の歯に勝る材料はありません。だからこそ、最初の1回をどう行うかにこだわっています。
治療後も、そこで終わりにしない
かぶせ物を装着したあと、後日あらためて咬み合わせを確認しています。装着直後は問題がなくても、日常の食事の中で当たり方が変わってくることがあるためです。強く当たる部分を放置すると、もろくなった歯に力が集中してしまいます。
その後は担当歯科衛生士制で経過を追っていきます。同じ衛生士が継続して見ることで、治療した歯のまわりの変化に気づきやすくなります。
よくあるご質問
Q. 根管治療は保険診療で受けられますか?
A. 当院では根管治療を保険診療で行っており、自費の根管治療は設定しておりません。保険診療の症例でも、歯科用マイクロスコープとラバーダム防湿を使用しています。
Q. 治療中や治療後に痛みは出ますか?
A. 麻酔をして処置を行いますが、炎症の程度によっては治療後に鈍い痛みが出ることがあります。数日で落ち着くことが多いものの、痛みが強い場合や続く場合はご連絡ください。状態を確認します。
Q. 一度治療した歯が、また痛むことはありますか?
A. あります。時間の経過や再感染によって症状が出ることがあり、これは珍しいことではありません。当院では再治療の際もCTで根の状態を確認し、なぜそうなったのかを整理したうえで方針をご説明します。
Q. 神経を取らずに済むことはありますか?
A. むし歯の深さや症状によります。神経を残せる可能性がある場合は、その方法と、痛みが続いたときには改めて処置が必要になる可能性の両方をご説明したうえで、ご一緒に判断します。
Q. 途中で通院が止まってしまいました。今からでも間に合いますか?
A. まずは現在の状態を確認させてください。仮の蓋が外れたまま時間が経つと、根の内部が再び汚染されます。放置した期間の長さにかかわらず、まずは検査からご相談ください。
春日・後楽園エリアで根の治療をお考えの方へ
根管治療は、歯を抜かずに残すための治療です。そして神経を失った歯は、その後の使い方によって寿命が変わります。当院は文京区・春日・後楽園・本郷エリアの歯医者として、治療した歯をできるだけ長く使っていただくための計画までを含めてご提案します。
<治療だけじゃない。予防だけじゃない。>
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